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Osaka Doyu-Kai

vol.9

「同友会的黒字企業80%をめざす」

「成長し続ける豊かな(チェト)生命(アンク)」〜手探りの創業から発展を続ける会社へ 〜

Profile

大阪東ブロック/しろきた支部 2020年度入会

株式会社チェトアンク アンク訪問看護ステーション 代表取締役

平川 暢秀

所在地:門真市三ツ島3-5-45 /
URL:https://www.ank2019.jp
設 立:2019年6月4日 / 資本金:50万円 /
年商:7,200万円 / 社員数:12名(役員・パート含)
事業内容:訪問看護

私たちは生命ひとつひとつを大切に想い
在宅ケアサービスで出会える人を
笑顔にします

社名「チェトアンク」の意味

 チェト=豊かな アンク=生命。「豊かな生命」の意味を持つチェトアンク。2月号はその言葉にぴったりの平川さんを紹介します。

 

 

訪問介護とは

 医師からの指示のもと、病院での看護業務を在宅で行う仕事です。点滴から排便のコントロールまで幅広く看護を行っています。

 利用者は赤ちゃんからお年寄りまでとなっており、幅広く対応しています。チェトアンクでは高齢者や障がいを持つ方々を主に看護しています。

 

 

創業への思い

 事業を起こしたかった平川さんは、もともとパン職人でした。パン屋を開業したいと考えていましたが、それには多くの資金がかかります。

 また、別で訪問看護の事業所に勤めていた平川さんの奥さんも訪問看護の事業を起こしたいと考えていました。

 どちらかの事業で勝負しようと夫婦で話し合い、資金がそれほど必要でないと思った訪問看護の事業を行おうと決めました。実際は多くの資金が必要で、後に苦労することになります。

 訪問看護事業を選んだのは、資金面のことよりも奥さんの訪問看護への思いが強みになると考えたからです。

 大手事業所ではたとえ利用者の役に立つことであっても、業務以外のことは行えない場合があります。例えば訪問先の高齢者宅で電球が切れていても、その電球を変えてあげることができないという規則があったそうです。しかし、奥さんはそのルールを破り日々業務以外のサービスをしていました。

 そんな規則に縛られず、役に立つことを堂々と行いたいという奥さんの話を聞いて、平川さんは「このサービスを広げたい。広げることにより喜ぶ人が増える」と考え、訪問看護事業を起こすことを決断しました。

 

 

創業の苦難と縁

 創業に向けて動き出した平川さんでしたが、手元資金が数十万円しかなく銀行からの借り入れもできない状況でした。

 そのような状況のなか、関西みらい銀行が行っていた創業者塾に夫婦で参加します。そこで学んでいくうちに奥さんが創業塾で賞を受賞しました。その賞の懸賞で1,200万円の融資を獲得することができました。

 当面の資金を得た平川さんに、新たな幸運が訪れます。事業所の場所を探していたところ、以前奥さんが看護していた方のご家族から場所を貸したいとの話をもらいます。看護していた方は地主さんで、生前、遺言で「平川さんが事業を立ち上げるのなら、農地をしていた場所の小屋を貸してあげてほしい」とご家族に言ってくださっていたとのことでした。

 このような縁にも恵まれ、アンク訪問看護ステーションを立ち上げることができました。しかし、看護事業は訪問介護を行い、国からお金が入る仕組みになっています。サービスを開始してからお金が入るまで2カ月のタイムラグがあり、受けた融資も底をつきかけるなど資金繰りに苦労しました。

関西みらい銀行からの賞

 

 

経営者脳になるために同友会入会

 事業を開始した平川さんでしたが、経営者としての知識も無く、何とか経営者として考えを学びたい、経営者脳を身につけたいと考えていました。

 創業者塾で知り合った人にその考えを話したところ、中小企業家同友会を紹介されました。そして同友会に入会します。入会後も紹介してもらった方に経営指針確立・実践セミナー(以下「指針セミナー」)受講を勧められました。資金不足の平川さんは当時5万円の指針セミナーの受講代が非常に厳しく悩みましたが、わらにもすがる思いで指針セミナー参加を決断しました。

 指針セミナーの1講目の助言者であるリーダーは同業であり、会社を大きく成長させている方でした。そのリーダーから「経営者として必須なことは資金を尽きさせないこと」とアドバイスをもらい、今でもそれを肝に銘じているとのことです。

 

同友会での学び

 指針セミナーでは、自分の思いを言葉にすることができ、経営者としての覚悟を持つことができました。同友会には先を歩んでいる経営者がたくさんいる。一人ではたどり着けないことでも手本になる経営者がいるので、そこに向けて歩んでいけると感じたそうです。

 毎月参加している例会でも、自分の受信力を上げることを心がけています。参加するだけで終わりではなく、受け手のセンスを磨かなければもったいないと考えています。

 経営者が勉強して成長しなければ会社は成長しない。これは以前素人経営者であった平川さんだからこそ感じることだと言います。情報は自分で取りにいきそれを生かしていくことが経営者の責任であるとの思いで、同友会活動をしています。

 ちなみに、そんな平川さんは2026年度しろきた支部長を務める予定です。平川さんが率いるしろきた支部の飛躍が今から楽しみです。

 

 

スタッフが辞めない会社

 現在6名いる看護スタッフですが、創業以来一人も離職者がいないことが平川さんの密かな自慢だそうです。「働きやすい環境をつくることが経営者の仕事」と言う平川さんは、スタッフとの信頼関係をつくることを優先に考えています。看護師の仕事は、命に関わる仕事です。そのため非常にストレスが多い業種です。また、看護師の仕事そのものが社会貢献に直結しています。だからこそスタッフが働きやすい環境をつくることが大切とのことです。

 スタッフの業務時間の管理はそれぞれに任せ、空いている時間は自由に使ってもらう。直行直帰も可能。その空いた時間に家の用事をしたり、子どもの学校行事に行ってもらったりする。スタッフとの信頼関係は、スタッフを信頼することから始まると考えています。 月1回行っている社内勉強会でも、プライベートを充実させてほしいと話しているそうです。プライベートが充実していれば、スタッフには笑顔が増え、スタッフが笑顔なら利用者も笑顔になります。経営理念にある「在宅ケアサービスで出会える人を笑顔にする」につながっているとのことです。

いたるところに笑顔の文字

 

 

成長し続ける会社チェトアンク

 利用者が2名から始まったアンク訪問看護ステーションには、現在70名の利用者がいます。すべて口コミで広がったとのことで、これも今まで関わった方々とのご縁のおかげであると思っています。

 これからも会社が成長し、人が増えていくにつれてスタッフの時間管理などの問題は発生してくると思います。次々現れるであろう経営問題に対しても、学び続ける平川さんなら課題をいち早く発見し、解決していくにちがいないと確信しました。

 

〈取材:大西・山田/文:山田/写真:山田〉

 

 

同友会 私の楽しみ方

 一番は人との縁やと思います。自らが求めれば限りなく縁がつながる会だと感じています。もちろんですが、自身が求めなければ縁はやってきません。

 最近は他府県の行事に参加する楽しさとそれによって視野を広げられることに、少しですが気づいてきました。同友会に入会したばかりの時は自主・民主・連帯の精神をあまり理解できていない感じでしたが、ようやく少しずつ理解してきていると思います。そのおかげで同友会活動が楽しくなり、自分の意見を言えるようになりました。

 自ら望めば成長できる。受信力をあげられる。それが私の感じた同友会の楽しみ方です。