Profile
中河内ブロック/八尾支部 2005年入会
(有)ジャックスクリーン 代表取締役
今岡 和雄
所在地:大阪府八尾市幸町5丁目4-7 / URL:https://jacscreen.com
創業:1995年 / 年商:4億3,000万円(2025年度) / 社員数:14名
事業内容:屋外広告物の企画、デザイン施工
2026年度経営本部 副部長の(有)ジャックスクリーン代表取締役 今岡さんから自社経営を通じて求人社員共育の意義、必要性を聞きました。

ジャックスクリーンはお店や商業施設、工場などの看板をデザイン、施工しています。
2025年12月に竣工式を行った出来たての奇麗な工場と打ち合わせスペース。壁には大型のLEDディスプレーがあり、壁や天井には自社でデザイン、施工を行ったカフェのような飾りつけがあり、それを見るだけで仕事のクオリティーの高さを感じることができます。


1995年創業、昨年の2025年に30周年を迎え、それを機にビジョンにあった新社屋を実現させました。実現の基になったのは2012年に受講した同友会が行う経営指針確立・実践セミナーです。そこでビジョンの重要性を感じ、そのビジョンを掲げて実現させることができました。
創業の前に同友会青年部会
20代の今岡さんは、お父さんが経営していた印刷業で働いていました。そのころお父さんは同友会に所属しており、それで青年部会の例会に顔をだしました。その頃はバブル経済が崩壊し、今岡さんも元気が無く、例会で報告している会員、参加している会員がキラキラと輝いて見えたことが印象的でした。
看板業界との出会い
お父さんの会社で営業をしていた今岡さんは、バブル崩壊の影響で苦戦していました。飛び込み営業をかけますが、なかなか仕事にはたどりつかない状況でした。その会社ではスクリーン印刷を手掛けており、そのスクリーン印刷技術に注文をくれたのが看板業界でした。
これまでの顧客は家電メーカー業界などで数量をこなし売上を確保する業態でしたが、看板業界の人たちは自分のアイデアで看板をつくっている姿が楽しそうに見えました。
(有)ジャックスクリーン創業
看板の仕事を手掛けたいと思う今岡さんとお父さんとでは経営の方向が違い、今岡さんは自ら1995年に起業することを決断しました。
なにも見込みがない状況のなかでなにか武器が必要と思い、看板業界もアナログからデジタルの時代に変わっていくと考え、新規開業融資を受けコンピューターを導入しました。コンピューターでデザインし管理を行う戦略でした。
滑り出しは順調で自分の給与もしっかりと取れるようになります。しかし、その頃は社員4~5人で自分が先頭に立ってすすむ、親方とその他のような会社でした。
同友会入会
仕事は順調でしたが、今のやり方は何か違うと違和感を持ちだした今岡さんは、昔行ったことのある同友会に入会することにしました。といっても、動機は以前青年部会で見た、キラキラした社長になることを夢見ての入会でした。
入会後、そのイメージは覆されます。自分の描いていた社長の集まりではない、みんなが悩み、苦労している。自分と同じような課題を持ち真剣に課題克服に取り組んでいる。共感を覚え、本格的に同友会活動に取り組みました。
経営指針確立・実践セミナーからの変革
2012年、経営指針確立・実践セミナーを受講しました。その中で自社の10年後を考えるパートがあり、ジャックスクリーンの10年後を考えた時、このままではダメだと気付きます。当時はリーマン・ショックの影響で看板業界でも倒産が多発しており、エキスパートの職人がたくさんジャックスクリーンへ流れついていました。目の前の仕事はエキスパートぞろいなのでこなせますが、10年後の年齢を考えるとジャックスクリーンには先が無い。
このままでは、いずれ行き詰まると思いながら経営をしてきましたが、ある時に中河内ブロックで新卒雇用の話があり、今、取り組まなければならないと考え実行に移しました。
新卒雇用
2016年に高校生の新卒雇用に挑戦し、1年目から雇用することができました。その社員が10年たった今、工場長として活躍しているとのことです。
これまで、ベテラン職人ばかりと仕事をしてきた今岡さんは新卒の社員共育に戸惑います。ベテラン職人は一言の指示ですべてをわかってくれますが、新卒はそうはいきません。素人の子どもを育てていく、すべてのことに指示が必要、やり方がわからないままの実践の日々でした。厳しく指導して何度も泣かせてしまったことがあるとのことです。幸いなことに現工場長は新卒雇用当時から我慢強い人で、徐々に力を付け現在の役職についています。
その後も5年連続新卒採用をしています。悪戦苦闘しながらも、工場長をはじめ何とか人を育てることができましたが、そのなかで今岡さん自身も自分が育つことができたと感じています。同友会の言う「共に育つ(共育)」の実践ではないかと思います。
現在は求人難もあり第二新卒狙いで大阪府がすすめている「あんしん就活」を利用し、インターンシップからマッチングで採用をしています。そのことについては2025年に求人教育部主催で説明会を行うなど情報を発信しています。



経営者の役割
指針経営で大切なことは未来を考え、それに向けて実践していくことだと考えます。その未来を一緒に考える。考えることの先頭に立つ。人間は未来に向かって頑張っている時が一番幸せと思っています。
経営者の役割は経営理念をつくり、それを全社員で追い続けていく状態をつくることだと今岡さんは考えます。
コロナ禍の時は店舗の仕事が無くなり、倒産も頭によぎるほど厳しい状態になってしまいました。ボーナスも出せない状況になりましたが、それでも誰一人やめることはなかったそうです。指針経営をすすめていくなかで経理公開も行っており、誰もが納得感を得られる社内環境をつくってきたからだと思っています。
未来を考えてきたビジョンの一つである新社屋も、大阪・関西万博は業界にとってのビックチャンスだと考え、厳しい状況でしたが挑戦することができました。これも、社員と共にビジョンを考えて追い続けてきた結果だと思っているとのことです。
若者の社員共育
若い人たちは、成長願望があり、潜在的に今より明るい未来を望んでいます。
ベテランの人たちはこれまでの経験から「これくらいで」と落としどころを見つけてしまい、成長、変化への意識は乏しくなってしまいます。
子どものころ補助輪なしの自転車乗りを練習している時、運転ができている自分を頭に描いていたと思います。それと同じで若い社員たちが自分や会社の成長を頭に描いて日々仕事をする。その雰囲気がでれば会社は成長する。10年間工場長を見てきてそのことを教えてもらったと今岡さんは言います。
社員共育とは、その人の能力を見出し、その人の未来が明るいと感じる状態をつくることだと気付いています。求人教育部ではこのような経営課題を話しています。一度参加してみてはいかがでしょうか?

〈取材・文・写真:山田〉