Profile
大阪南東ブロック/東住吉支部/2018年度入会
株式会社リビング・ラボ 代表取締役
大島 愛子
本 社:大阪府大阪市天王寺区生玉寺町1-13サンセットヒル1F
URL:https://livinglabo.com
設 立:1985年10月/資本金:1,000万円/職員数:20名(パート含む)
業務内容:家事代行サービス、整理収納サービス、ハウスクリーニング、レッスン&セミナー
経営理念
私たちは、家事と住まいにまつわるサービスを通してお客様の暮らしのパートナーを目指します。
私たちは、女性が自分らしく輝く社会に貢献します。
私たちは、一人ひとりが能力を活かし、支え合い、共に成長を続ける仲間です。
リビング・ラボという会社
日本最古の本格的な仏教寺院である四天王寺近く、谷町筋に面したビルの1階に今回取材した「株式会社リビング・ラボ」のオフィスがある。掃除や家事代行サービスの会社らしく、白と黒を基調にした清潔感あるオフィスは奇麗に片付けられていた。
株式会社リビング・ラボは今回取材した代表取締役の大島愛子さんの母親が、今から38年前に大手企業から独立をして創業した会社である。創業後十数年たった時に母親が体調を崩したため、現在の社長、大島愛子さんが大学卒業と同時に入社して、会社を切り盛りすることとなった。その時から古参のパート社員との確執や、若手の定着難などに振り回されることになっていくのだった。
中小企業は人が課題
掃除、家事代行サービスは年々需要が増加している右肩上がりの業界である。しかし株式会社リビング・ラボは、なかなか思うように会社規模を大きくしていくことができていない。大手企業の参入や、デリバリー業者のようなネットを介しての直接取引なども要因の一つではあるが、一番大きな課題は人の問題だということだ。社員、パートの確保、定着が課題であるということらしい。株式会社リビング・ラボでは顧客満足度を優先し作業クオリティーを標準化するために、大手企業とちがい研修に3カ月をかける。また、新型コロナウイルスによるパンデミック以降、社員やパートは直行直帰でなかなか顔を合わせる機会がもてなくなった。そのような中で信頼していたスタッフが辞めていくこともあったらしい。
これからの方向性
人の問題については経営者として自分が未熟だからなのではないだろうか。行き当たりばったりの経営をしているからではないだろうか。経営者として、自分を変えなければならないと悩んでいるとき、知人の紹介で中小企業家同友会の経営指針確立・実践セミナーと出会った。すぐに同友会に入会してセミナーの受講をした。セミナーを受講したからといってすぐに物事が動き出すというほど簡単ではないが、自分自身の経営者としての考え方が整理されて、これからやるべき方向性が見えてきたという。やわらかく話をする大島愛子さんだが、その言葉の端々には力強さが感じられた。
思わず笑顔になるビジョン
株式会社リビング・ラボには経営指針確立・実践セミナーを受講した大島愛子さんが描く10年ビジョンがある。暮らしにまつわるパートナー企業になる。掃除や家事代行だけでなくリフォームやインテリアデザインの相談や提案。メーカーと協力して新しい掃除用品の開発や販売。社内に託児所を完備して働きやすい環境整備。カフェをつくって高齢化した社員の新しい雇用、ライフスタイルが変化した社員の柔軟な雇用形態。ワクワクするようなビジョンの話を、社長の愛子さんが次々にゆっくりと、そして楽しそうに語っているのを聞いていると、こちらも思わず笑顔になってしまう。
大島愛子さんという経営者
最近スタッフがけがをした。仕事のやり方に問題があったのではないか、自分も忙しくプレイヤーとして仕事をこなす中で自問自答を繰り返す。スタッフのことを一番に考え、顧客を大切にする大島愛子さんの思いが少しずつ、会社を進ませていると思った。優しい口調ではあるが、しっかりとした自分への落とし込みをした話を聞いていて、今後の課題に向けての姿勢に力強さを感じた。同時に、大島愛子さんにワクワクする心地よさを覚えた。これからも同友会をうまく利用しながら、すてきな10年ビジョンに近づいていくのだろうと、取材していて大島愛子さんの魅力にどんどん引き付けられていた。
楽しい取材の時間は終わり、オフィスをあとにした。ここに来た時よりも少しだけ暗くなった空にあべのハルカスがひときわ高く目立つ都会の雑然とした街並みが広がっていた。この街ももう少し奇麗に片付いてもいいのかもしれない。
(取材:大西、藤本、山田/文:藤本 写真:藤本)
同友会 私の楽しみ方
今の活動の中心は経営委員会です。入会してすぐに経営指針確立・実践セミナーを受講し、その後「助言者をやってみたら?」「経営委員会に入ってみない?」と先輩から声を掛けてもらい、同友会での居場所ができました。セミナーの運営に携わる中で毎回さまざまな課題にぶち当たりますが、改善しようと一緒に考える仲間がいるから続けてこられました。同友会活動を通してたくさんの経営者に出会い、それぞれの素晴らしい面を見ることで、人として経営者として多くの学びがあると感じています。最近は女性部会や経営労働部の活動もあり忙しくなってきましたが、その分、人とのつながりができ、仲間が増えていることを嬉しく、心強く思っています。