scroll
Osaka Doyu-Kai

vol.7

大阪南東ブロック特集: 「 激動する変化に対応する企業」

しずくいろブランドを世界へ!

Profile

大阪南東ブロック/西成・住之江支部/2021年度入会

しずくいろ 代表

平松  久実

所在地:大阪府大阪市西成区岸里/URL:https://shizukuiro.jp/創業:2021年8月
業務内容:訪問介護美容サービス、レクリエーション代行、介護施設特化SNS動画制作、主に介護施設に向けた出張サービス

起業

介護福祉士として介護施設に勤務していた平松さんは、介護保険制度では補えないことがあると気付き、利用者や家族、スタッフ全員がもっと笑顔になれるサービスを模索し続けます。その日から7年後に、ついにたどり着いたのが「介護×美容」というコンセプトでした。

「しずくいろ」の創業には、年齢や障がいなどにかかわらず、 誰もが自分らしく生き生きとした生活を送れるよう、幸せの連鎖の源になりたいという、平松さんの強い思いがあります。

 

 

一滴のしずくが人生をいろどる

平松さんはかつて、みんなを笑顔にしたい一心で無理をして体を張り、自分らしさを抑えていたため、周囲に振りまわされたり、大切な人から「へらへらするな」と言われたり、笑顔を叱られることもありました。しかし、ある時介護施設の利用者さんから「あなたの笑顔はすてき」「顔を見るだけで元気になれる」と言われた瞬間(とき)、笑顔は悪いことではない、笑顔が誰かを救えるんだと気付きました。その経験から平松さんはいつでも笑顔でいることにこだわっています。平松さんは、介護施設で利用者さんに自分らしさを見つけてもらった感謝の気持ちを持ち「今度は私がお返ししたい」と、今までの経験を仕組みにしてたくさんの人が笑い合える社会を築きたい思いで起業にいたります。

 

 

同友会

経営の知識がゼロの状態で、しかも勢いだけで起業した平松さんは、孤独や不安に苛まれ何をすべきか分からなくなっていました。そんな時、前職の知り合いである同友会の会員に相談し行政例会に参加しました。はじめは「怪しい会かも」と疑念を抱きつつの参加でした。しかし出会った会員の皆さんが事業と地域に真剣に向き合い、共に悩む仲間として温かい雰囲気を作っている姿勢に衝撃を受けて(また、当時の増強委員長が強引に勧誘しなかったことも大きな決め手)、この会でなら信頼できる先輩に相談できると入会しました。

入会が平松さんの転機となりました。初めて小グループ会でプチ報告をした際「今していることは趣味ですか?事業としてやる んですか?」と質問された時、自信なさげに「趣味ではないです」と答えたと言います。平松さんは趣味と事業の違いすら理解していなかった自分に気づき、経営指針確立・実践セミナーを受けます。そこでは経営の先輩方から具体的なアドバイスを受け、 何のために事業を行い、どこをめざし今何をすべきなのかが徐々に明確になっていきます。ここでの学びを実践し続けることで、 少しずつ事業が成り立ち始め、仲間も増えて利益も出るようになりました。

現在では平松さんは支部の増強委員長として活動しています。 増強委員長の役割を通じて「不離一体」の大切さも実感し、自身 の課題が同友会の役割に反映されて新たな課題として表れることで、平松さん自身も成長しています。同友会を通じて、これからも仲間と共に成長し続けたいと熱い胸の内を語っていました。

 

 

今後

「しずくいろ」ブランドを通じて世界中に笑顔を届けることが平松さんの一番の思いだそうです。特に高齢者の元気を引き出して豊かな生活をサポートするために「しずくいろ」の価値を広めていきたいと考えています。まずは関西から国内へ、そして国内から世界へと、より多くの人々に「しずくいろ」ブランドを届けることをめざしています。現在は出張サービスに特化していますが、将来的には人が集まる「村づくり(居場所づくり)」を考えています。「村づくり」を通じて、平和で豊かなコミュニティーを実現し、誰もがその人らしく輝き、共に笑い合える日々を送りたいと願っています。

平松さんのワクワクするような「しずくいろ」の今後を、皆さんもぜひ一緒に見守ってみてくださいね。

 

(取材:堂上・藤本/文:堂上/写真:藤本)