ビールには「人を集める力」がある

（有）中井レストラン企画の新しい業態、2023年2月1日（水）にオープンしたての「船場ビール工場」で、お話を聞きました。

「船場ビール工場」開店にいたるまで

実は5年前からビールを作る計画はありましたが、当時はいろいろな兼ね合いがあり前に進みませんでした。新型コロナウイルス感染症の影響で飲食店の営業もままならないようになり、店舗を縮小して維持することに注力していました。しかし、このままではダメだという思いから、今まで培ったビールの知識と経験を生かして「ビールを仕入れて売る」という業態から「ビールを作って売る」製造販売メーカーになると決意し、開店することにしました。

船場という地域

船場という地域は歴史のある土地なのですが、数年前から近隣にタワーマンションが建ち並んだことで新しい住人も増え、現在は大阪・関西万博に向けホテルも建ち並び、海外からの旅行者も多く、さまざまな人が集う地域となりました。そんな人たちがビールをきっかけに集まれるコミュニティーづくりをしたいと考えるようになり、この場所で作ることを決めました。

船場ビール工場のオリジナルビール

味や香りの決め手となるモルト（麦芽）やホップ、酵母はビールのスタイル（種類）により、アメリカやカナダ、イギリスやドイツなどさまざまな国から輸入しています。モルトの配合、ホップの種類、入れるタイミング・副原料を調整し、オリジナルのレシピで次の3種類のビールを作っています。

●アメリカとニュージーランドのホップを使用し、ほのかな柑橘系の香りと味わいがあるベーシックな味わいの「ペールエール」

●ベルギービールのスタイルであるすっきりした味わいと酵母がフルーティーな香りを醸す「ゴールデンエール」

●5種類の麦芽を使用しロースト感やモルト感を出し、どっしりとしているが、するすると飲める「ベルジャンブラウン」

長い時間、バランスよく飲んでもらえるビールを作りたいという思いで欧米、特にやはりベルギースタイルのビールを作っています。

中井氏にとってビールとは

ビールは気軽に飲め、そばにあるとすぐに乾杯したくなる「腰の低い飲み物」だと思っています。そして、ビールは人をつなぎ、交流させたり、人を集めたりする力を持っていると思います。この船場地域で「船場ビール」を通じて、ビアガーデンを開いたり、近隣の飲食店にも私たちのビールを扱ってもらい「船場ビール」で人々をつなげたいと考えています。

これからさらにビールがおいしく飲めるシーズン到来。「５分で終わる工場見学ツアー」も18:45、19:30、20:15で開催されているので、ぜひ、中井さんのこだわりの詰まった「船場ビール」で乾杯しませんか。営業は月・水・金・土18:00～21:00（仕込みなどで変更する場合があります）最新情報はSNSで。

（取材：荒田、岡室、北川、谷澤、藤本／文・写真：谷澤）