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Osaka Doyu-Kai

vol.2

大阪北ブロック特集「 今こそ、変化の先に踏み出そう!」

経営改革の総仕上げ 異業種進出による「人が生きる」社風づくり

Profile

大阪北ブロック/新大阪支部/2004年度入会

カワモト・マニュファクチュアリング株式会社 代表取締役

中野 幹生

カワモト・マニュファクチュアリング株式会社 所在地:大阪市淀川区三津屋南
業務内容:金属加工業(製缶・溶接・機械加工・組立・装置試作など)
京都すずなり屋・十三かなめ店 所在地:大阪市淀川区十三本町1-9-15
業務内容:ベビーカステラ店頭販売(プレーン、抹茶、チョコレート味など独自開発の人気店)

今回は、カワモト・マニュファクチュアリング株式会社の新規事業である「京都すずなり屋・十三かなめ店」を訪問し、お話を聞きました。

 

カワモト・マニュファクチュアリング株式会社について

カワモト・マニュファクチュアリング株式会社は1973年に創業し、信頼性の高い部品を供給し続けてきた機械部品製造会社です。代表取締役の中野さんは「家族に誇れる職場づくり」を経営理念に掲げ、日々改革に取り組んでいます。2015年、川本工業(株)より今の社名に改称、2021年には三津屋に新工場を建設、35名の社員と共に発展してきました。

 

京都すずなり屋・十三かなめ店について

中野さんが昨年11月から新たに取り組み始めた新事業が、十三に開店したベビーカステラ屋「京都すずなり屋・十三かなめ店」。素材にこだわり、愛情を込めて焼いているというベビーカステラはとても優しい味です。機械部品製造会社とベビーカステラ屋という組み合わせは珍しいですが、中野さんはこの新事業を製造事業の経営改革と関連する重要な取り組みと位置づけているそうです。

 

多角化経営に踏み出そうと決めた理由

同友会での出会いが新たな一歩のきっかけに

中野さんがベビーカステラ事業に乗り出した直接のきっかけは、京都の同友会に参加した際にフランチャイズの話を耳にしたこと。BtoCのビジネスを経験することが新しい学びを得るきっかけになるのではという期待もあり、すぐにフランチャイズ契約を決断したそうで、中野さんの大胆な決断力に驚かされます。店舗に一定の自由が与えられているフランチャイズ契約は自由な発想をもつ中野さんにとって魅力的に映ったようで、新たなサービスの企画も日夜すすめているとのことでした。

 

多様性の人材活用

また、ベビーカステラ屋という全く異なるビジネスの場を設けたことが「どんな人でも働ける環境を整えたい」という中野さんの理想を実現する一歩にもつながっているようです。どんな企業でも人材のミスマッチが生じてしまうことがありますが、業務の幅が広ければそのようなスタッフに別の環境を提供することが可能だからです。

さらに、男性従業員の比率が高い業界で男性中心の価値観になりがちな自社の風土が課題だと感じていた中野さんは、女性スタッフを雇用しやすいサービス業への参入が、自社を社会の時流に合わせた企業へと変革させていく足がかりになるものと確信しているとのことでした。

 

 

多角化経営で学んだこと

BtoBビジネスである機械部品製造業でも、ビジネスの鍵を握るのは「人」と「人」のやりとりや、つながりです。中野さんにとっては、カステラ店での接客は「人」と直接接することができる場であり、そこでの実体験が製造業での顧客企業と「共感」ベースでつながることの大切さを再認識することにもなったそうです。こうした経験を通じ、経営者自らが積極的に「経営環境を変える」という意識をもつことが必要だと力強く語る中野さんの言葉一つひとつが印象的でした。

(取材:西岡、岡坂、小山/文・写真:小山)