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Osaka Doyu-Kai

vol.4

同友会の活動を自社経営に生かす

「人から生まれるブランド、 人を生かせるブランド。」

Profile

大阪中央ブロック/西支部 2019年入会

株式会社リバース 代表取締役

古川 俊一

所在地:大阪府大阪市西区靱本町1-6-6大阪華東ビル4階5室 /
URL:https://rebirth-ad.com
創業:2012年4月(法人設立:2016年4月) /
年商:7,500万円(2026年度) / 社員数:4名
事業内容:デザイン事業、キャリアコンサルタント事業

 8月号の特集では、情報化・広報部WEBチームで活動している株式会社リバースの古川俊一さんを紹介します。古川さんは大阪同友会のホームページ制作を担当し、納品後も運用面のサポートを目的として情報化・広報部に参加しています。WEBチームの活動では、ホームページ運用に関する意見だけでなく、同友会全体の情報発信についても、さまざまな角度から提案を行っています。

 

 

 株式会社リバース(以下「リバース」)は、大阪市西区靱本町を拠点に、デザイン事業とキャリアコンサルタント事業を展開しています。デザイン事業では、ホームページ制作、WordPress構築・保守、グラフィックデザイン、写真・映像制作、SNS運用、SEO対策などに加え、ブランディングや採用ブランディング、企業理念・MVV策定、ブランドメッセージ作成なども手がけています。また、キャリアコンサルタント事業では、キャリアコンサルタント養成講習、更新講習、試験対策講座を運営しています。

 

 

 同社の事業で大切にしている考え方が、ブランディングです。古川さんが考えるブランディングは、単にロゴやホームページ、パンフレットなどの見た目を整えることではありません。企業の中にある思いや価値を整理し、それを社内外に一貫して伝わる状態にしていくことです。

 

 

 リバースでは、ブランディングをアウターブランディングとインナーブランディングの両面から捉えています。アウターブランディングは、お客さまや取引先、求職者など企業の外側に向けて価値を伝える取り組みです。一方、インナーブランディングは、社員や社内のメンバーに理念や価値観、めざす方向性を共有していく取り組みです。社内に理念が根づくことでサービスの質が高まり、それが外部からの信頼につながる。外部から評価されることで社員の誇りややりがいが高まり、さらに社内の一体感が強くなる。この循環を、リバースでは大切にしています。

 

 

 ブランドが存在しない状態では、施策や制作物が個別に最適化されていたとしても、それぞれが異なる方向を向いたまますすんでしまいます。メッセージは分散し、ターゲット像は曖昧になり、企業が本来持つ価値は正しく伝わりません。結果として、積み重ねた投資や実績は連続性を持たず、ブランドとしての資産にならないまま消費されていきます。

ブランディングをしなかった場合

 

 一方で、ブランドが機能している状態では、ブランドという共通の指針があることで、すべての施策、表現、サービスが一つの方向へ設計されます。誰に向けて、どんな価値を、なぜ提供するのか。その意思が一貫して伝わり、施策を重ねるほど価値が蓄積されていきます。古川さんは、ブランドを単なる表現ではなく、信頼性、納得感、拡張性を生み出す「構造」と捉えています。

ブランディングをした場合

 

 リバースがめざしているのは、価格で選ばれる会社ではなく、価値観や品質に共感して選ばれる会社です。課題ベースの仕事を獲得し、付加価値や課題解決を提案する。価格競争から脱却し、信頼関係を築き、リピート顧客を増やす。そして実績や取り組みをアウトプットすることで相談案件が増え、共通の価値観やクオリティーを共有できるパートナーとつながっていく。このスパイラルアップを回し続けることで、人から人へ、よろこびの好循環を広げていきたいと考えています。

 

 

 古川さんは、2007年に凸版グラフィックコミュニケーションズ株式会社へ入社し、デザインや制作の現場で経験を積みました。その後、自ら事業を立ち上げたいという思いから、2012年4月にリバースを創業し、2016年4月に法人化しました。現在はデザイン事業とキャリアコンサルタント事業の二つを柱に事業を拡大しています。一方で、少人数での運営であるため、制作案件の獲得、講座運営、受講生対応、講師との調整などが属人的になりやすい課題もありました。そのため、業務フローの整理、社内情報共有の仕組みづくり、メール文面や案内の標準化、ホームページの改善、講座運営体制の整備などに取り組んできました。

 

 

 また、現在も大阪中央ブロック企業変革委員会での学びを通じて、月次決算の実施、営業利益をプラスにすること、自己資本比率を上げること、クリーンな決算書をめざすことに取り組んでいます。理念やビジョンだけでなく、数字にも向き合い、会社として継続できる経営体質をつくることを意識しています。

 

 

 古川さんが同友会を知ったのは、営業先で名前を聞いたことがきっかけでした。WEBで調べて例会に参加し、その後入会しました。初めて参加した例会は、西支部会員の報告でした。会社で火事があった話など、経営上の出来事を赤裸々に話していたことが印象に残ったといいます。入会後は、最初こそ声をかけてもらっていたものの、仕事の忙しさもあり参加しない時期が続きました。数か月経つと声をかけられることも少なくなり、社会と孤立していくような感覚を持ったそうです。そこから、まずは例会だけでも参加しようと決め、できる限り参加するようになりました。

 

 

 大きな気づきとなったのが、2021年に受講した経営指針確立・実践セミナーです。理念策定時、助言者の方から「理念をウェブサイトに掲載するんか?」と聞かれ、古川さんは「掲載しないです」と答えました。すると「ホームページにも載せられへん理念やったらつくらんでええ、帰れ!」と厳しく叱責されました。当時は、社長が練りに練った難解な理念は、若いスタッフには関心を持ってもらえないと考えていました。しかし後日、20代の女性スタッフに「経営理念がホームページに掲載されたら見るか」と尋ねると「見ます」と返ってきました。その時、理念をどう魅力的に見せ、伝えていくかを考えきれていなかった自分に気づいたといいます。この経験は、現在のブランディングの考え方にもつながっています。

 

 

 情報化・広報部に関わるようになったきっかけは、2022年の大阪同友会ホームページリニューアルの公募でした。複数の提案の中からリバースが採用され、2023年にホームページを納品しました。ホームページは制作して終わりではなく、運用していくことが大切です。その運用サポートを主な目的として、情報化・広報部HPワーキングチームに参加しています。毎月の会議では、ホームページ運用への意見を中心に、同友会自身の情報発信についても提案を行っています。

 

 情報化・広報部での活動を通じて古川さんが感じているのは、同友会が持つ価値や学びが、まだ十分に一貫した形で伝わり切っていないという課題です。同友会には、例会・委員会活動・支部活動・経営指針づくりなど、経営者にとって価値ある学びが数多くあります。しかし、それぞれの活動が点として存在しているだけでは、全体像や価値が伝わりにくい面もあります。すべての活動が、同友会が大切にしていることや会員企業の経営発展とどうつながっているのかを見えるようにすること。点と点をつなぎ、線にし、その線を積み重ねていくことで、同友会全体のブランド価値を高めていくことが大切だと考えています。

 

 情報化・広報部は、文章が得意な人やWEBに詳しい人だけが関わる活動ではありません。同友会の学びを自社にどう生かすかを考えたい人、自社の発信を見直したい人、他社の実践から経営のヒントを得たい人にこそ関わる価値があります。同友会にある多くの学びを点で終わらせず、自社の経営につながる線にしていく。情報化・広報部は、その力を磨ける場です。同友会のためだけではなく、自社の経営を深めるためにも、ぜひ情報化・広報部に関わっていただきたいと思います。

 

 

取材中も、古川さんはアウターブランディング、インナーブランディングの両面から、ブランディングの重要性を丁寧に語ってくれました。紙面ではすべてを紹介しきれませんが、ぜひ情報化・広報部の活動の中で、古川さんに直接聞いていただきたい内容です。

 

 

〈取材:山田/文:山田/写真:古川〉