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Osaka Doyu-Kai

vol.6

同友会の活動を自社経営に生かす

「全大阪経営研究集会は多くの出会いの場、 会社を発展させる転換点の日」

Profile

中河内ブロック/東大阪第三支部 2014年入会

コトブキ工芸株式会社 代表取締役社長

辻本 一仁

所在地:大阪府東大阪市小阪2-9-16 /
URL:https://www.kotobukikougei.co.jp /
設立:1973年(設立 1976年)
パート数:15名 / 年商:1億4,000万円 /
事業内容:小売業様向けレジの台の製造。
各社様向けにニーズに応じた台を
カスタマイズで製造させていただきます。

一、私たちは、耀耀(ようよう)たる会社を創り、関わる全ての人の幸せを追求します
一、私たちは、流通・小売業を支える"ええもん"を通じて感謝とコミュニケーションの空間を 世界に提案します。

「ええもん」にこだわる

 コトブキ工芸株式会社(以下「コトブキ工芸」)は辻本さんのお父様が昭和48年にスチール什器製作を業態に東大阪で創業しました。現在東大阪では本社機能として事務所のみで、奈良県北葛城郡の工場で製作をしています。

 

工場風景

 

 

 現在私たちがスーパーで目にするバーコードを読み取り清算するレジは、辻本さんのお父様が大手メーカーと一緒に開発したものとのことです。

 

 現在もスーパーのレジの台などスチール什器の企画、設計を行っています。顧客からは大きさなどの要求事項がくるだけで、設計はコトブキ工芸が行っています。そのような商品なので細部までこだわりを持っています。その気持ちが、経営理念の中にも「ええもの」という言葉として入っています。

 

 

父親からは「帰ってこい」と言われなかった

 ものづくり屋の2代目の多くの人は、小さなころから工場の手伝いをさせられます。辻本さんも例外ではなく、中学生時代から工場を手伝っていました。当時は八尾に工場があり、東大阪の自宅から八尾まで自転車で通っていたとのことです。当然給与は無く、アルバイト代をもらうようになったのは、高校生になったときでした。

 

 そんな辻本さんは大学卒業後、地方銀行に入社。3年間いろいろな企業を見て勉強をしてきました。本人としては、いつかは会社を継がなければならないという気持ちを持っていました。しかし、お父様からは「帰ってこい」と言われたことがありませんでした。これは、父として「まだこんな苦労をしなくてもいい」という親心ではなかったのか?と当時を振り返ります。

 

 ある日、家にコトブキ工芸の決算書がポツンと置いてあり、銀行マンであった辻本さんはそれを見て「先が見えた、食っていける」と判断し、家業を継ぐことを決めました。

 

 入社してすぐ、大手スーパーレジの入れ替えの入札があり、それを受注することができました。非常に大きな案件であり、当時はメールで発注書や仕様書をやりとりする習慣が無く、仕様の打ち合わせと発注書を受け取るために月に何度も東京へ出向き、大きな紙袋二つ分の発注書を持ち帰る。それが初めての仕事でした。

 

 

みずから望んで同友会に入会

 数年間は順調に仕事をしていましたが、リーマン・ショックの煽りで会社が赤字に陥りました。ある日、日本経済新聞の折り込みチラシに大阪同友会東大阪東支部例会(当時)の案内が入っていました。気にも留めず机に置いたままになっていましたが、午後からの仕事が早く片付き机を見た時にそのチラシが目に入りました。行ってみようかと思い、日付を見るとその例会の当日でした。こんな急には無理だろうなと思いましたが、事務局に電話をしたところ「大歓迎です」と言われ、参加をしました。

 

 入会して経営を勉強しようと決めて、父親に相談したところ、渋々ながらOKをもらい同友会に入会しました。

 

 

退会から復帰

 入会し、経営指針確立・実践セミナー(以下「指針ミナー」)も受講し、同友会活動にも積極的に参加していたのですが、ある日ご家庭の問題で同友会を急きょ退会しました。その事情は一部の人にしか話しておらず「急にやめやがって」との声も上がっていたそうです。

 

 しかし、退会した後も数か月に一度は、同友会で知り合った仲間が「食事に行こう」などの声をかけてくれていました。ご家族の問題も落ち着いたころ、その仲間たちから「そろそろ戻れば?」と声をかけてもらい、そのことを家族に相談し、同友会に復帰しました。

 

 

2回目の指針セミナー

 1回目の指針セミナーを受講した時は常務取締役の立場でした。復帰した辻本さんは社長になっており、もう一度指針セミナーを受けることにしました。

 

 1回目と立場が違うこと、1回目につくった経営理念にある「耀耀」との言葉をもう一度考えてみたいとの思いでした。「耀耀」の耀の文字は長男の名前に使っている漢字であり、それを経営理念に入れるのはどうか?と思ったそうです。結果2回目の指針セミナーでも「耀耀たる」の言葉を使うことにしました。

 

 2回目の指針セミナーでは受講者が2名しかおらず、リーダー、サブリーダー(現材は助言者)が13名。現在の大阪同友会で大御所、ベテランとなっている人たち13名に囲まれての指針セミナーで、冷や汗をかきながらの受講だったとのことです。

 

生産機械

 

生産機械

 

出荷を待つ製品

 

 

常に自分がいなくなったことを考える

 同友会の先輩経営者を見ていて感じることは「よくあんなに同友会の活動に参加できるな」ということです。社長がいなくても会社が回る、そんな会社にしなければならないと同友会活動から感じ、いつもそのことを考えているとのことです。

 

 コトブキ工芸は設計の業務が不可欠で、現在、7年前に入った設計社員さんが2人で設計業務を担っています。製造担当も一番下が34才ということで、求人は常に考えて活動をしているとのことです。

 

 

同友会の情報をフル活用

 コトブキ工芸の経営方針をつくるにあたり、毎年SWOT分析をしています。大阪同友会の方針検討会議で出される議案書のたたき台から情勢の分析を抜き取り、それを全社員と共有してSWOT分析の外部要因のデータにしています。まだまだ社員からは意見が出ないと言っていますが、指針書づくりに全社で取り組んでいることが感じられます。

 

 

全大阪経営研究集会

 辻本さんの全大阪経営研究集会実行委員会での活動は4年目になります。はじめはブロックから役割として参加しました。正直に言って、はじめはめんどうだと感じての参加だったようです。しかし、参加してみると面白く、大阪全体からいろいろな考えの人が参加してさまざまな意見が聞けます。また分科会づくりでは、報告者は実行委員会全体で決めますが、報告は一からつくりあげていきます。他支部の人たちは、それぞれの支部の例会のつくり方が違い、考え方も違いますが、その人たちと一つの分科会報告をつくり上げていくことを非常に楽しく感じています。

 

 辻本さんは研修部にも参加しており、研修部は同友会を学ぶところ、全大阪はその学びを実践するところだと位置づけています。せっかく大阪同友会にいるのだから、多くの人たちと知り合い、そして会社発展のヒントを得よう。全大阪経営研究集会はそんな場所だと思っているとのことです。

 

組み立て前の部品

 

製品

 

製品

 

 

〈取材:山田/文:山田/写真:山田〉