Profile
大阪北ブロック/北第三支部 2018年2月入会
株式会社ジェイネットシステム 代表取締役
宮﨑 俊雄
所在地:大阪府大阪市西区江之子島2-1-66-403 /
URL:https://www.jnetsys.co.jp / 設立:1999年
社員数:3名 / 年商:1億円 /
事業内容:電気通信工事業、電気工事業、電気通信業
楽優
私たちは人と人とのつながりを大切にし、通信技術で未来を創造します。
私たちは関わるすべての人が楽しく優しく暮らせる社会にします。
私たちは団結し、お互いを高めあうチームであり続け、豊かな生活を実現します。
(株)ジェイネットシステムの仕事
電気通信工事業をわかりやすく言うと、私たちが普段使っているパソコンや電話、ネットワーク工事などを、機器設定から設計・施工、メンテナンスまで一貫で行う事業です。


転職の約束
宮﨑さんは高校を卒業後、同業の会社に就職しました。ある時、親会社の発注元である大手のO社から「うちの社員にならないか?」と誘われました。しかし、退社してそのまますぐに入社はできないので、その会社の協力企業である(株)ジェイネットシステム(以下「ジェイネットシステム」)で1年間働いた後にO社に迎え入れてもらうという話になりました。そのO社の人たちとは仕事以外のプライベートでも仲良くしていたので、その人たちと働けることを楽しみにジェイネットシステムに入社しました。
超ブラックな会社
入社したジェイネットシステムは雇用契約が無く、年俸制で残業代も休日出勤手当も無く、給与の遅配もあるなど、今では考えられない待遇の会社でした。
また、創業者と2代目社長の仲が悪く、会社でその争いを見ることが多くありました。1年だけと思い、我慢しながら宮﨑さんは働いていました。1年がたち、O社から転職の話は上がりましたが、O社の人から「宮﨑君がジェイネットシステムを抜けたら会社があかんくなる」と言われ、その話自体が無くなります。その何年後かにも話は上がりますが、やっぱり宮﨑さんが抜けると…ということで、完全にその話は消えてしまいます。
転機
O社に入る夢を絶たれた宮﨑さんは、日々の業務をしながら「一人で独立しようか?」と考えていました。
ある日、創業者から「社長にならへんか?会社を買わないか?」と話がありました。独立を考えていた立場であり、本当に悩みました。会社を売却する話は他の会社の人たちの耳にも入っていました。そうすると仲のよかったO社の社員二人が「他の人間がジェイネットシステムを引き継ぐのは嫌、宮﨑さんが継いでほしい、お金の問題なら無利子無担保でお金を貸す」と言ってくれました。「ここまで評価してくれているのであればやらなければ」との思いで会社を買うことを決断しました。しかし、費用に関しては「個人でのお金の貸し借りはいけない」と母親から教えられていたので気持ちだけいただき、O社の二人から借りることはありませんでした。
会社を買う
これまで決算書を見たことがなく、いくらで株を買えるのかもわからない状況でしたが、ある日、法律事務所に連れていかれ、弁護士2名、税理士、社労士、司法書士など士業の方5名に囲まれて会議をしました。なにかだまされているのでは?とも思いながら不安な気持ちのなか、提示された金額は2,000万円。半分は創業者と宮﨑さんの個人間で分割払い、残りは創業者名義の事務所の家賃を増額して払うようにし、数年後に会社から役員貸付を行い支払いが完了しました。
経営者への道のり
会社を買い取り、社長としてスタートした宮﨑さんですが、当初2種類の名刺を持っていました。既存の顧客には代表交代の案内を出しているので「代表取締役」の肩書が入った名刺を出し、新規顧客に対しては肩書のない名刺を出していました。若い社長となめられるのではとの思いがあったそうです。今、振り返ると経営者としての自信の無さの表れだったとのことです。
社長になっても日々の作業はこれまでと変わらず、道標がない成り行き型の経営を続けていました。
同友会、経営指針確立・実践セミナーとの出会い
ある日、付き合いのある保険会社さんから、同友会例会への誘いを受けました。道標を求めていた宮﨑さんはすぐに入会を決めました。入会後すぐに経営指針確立・実践セミナー(以下「指針セミナー」)への受講を勧められます。
指針セミナー受講前にさまざまな会社の理念を見て、勉強をしました。自分の会社にどんな理念ができるのか?自分の思いがそこに乗るのか?良い理念ができるのか?と楽しみに受講しました。しかし、泊まり込みのセミナーで、周りの受講者は次々にできあがっていくなか、まったく言葉が浮かばず、結局は2日目の発表に間に合わせただけの理念になり、非常に残念な結果になりました。
落胆して、指針セミナーの理念の講を終えましたが、その後自分の人生を振り返り、再度考えました。
高校生時代、書道の授業で好きな文字を書いていいと言われたときのことです。常に楽しみたいことや人に優しくしたいことを文字にしたこと。母親からもらった言葉の「団結」。何事にも挑戦するためのはじめの1歩。楽しくない時も笑っていれば周りは笑顔になる、そんな日々を過ごせてきたこと。自分自身が周りのたくさんの人たちからの優しさに囲んでもらえてきたこと。だから人には優しくしたいと思えたこと。そんな多くのことが頭に浮かんできて、自分の人生を振り返って、心の奥底にあった熱い思いが言葉となって前に出てきました。
それを文字にし、再度理念を書きだした時、言葉、文字と一緒に涙があふれてきました。
理念浸透と経営指針の実践
理念ができ、社員への発表も行いましたが、なかなか浸透とまではいきませんでした。
社内で理念の発表を行い、理念を壁に張り出したのですが、ある日勝手に剝がされていたことがあり、非常に悲しくなったこともあります。
しかし、指針経営を徐々にすすめていくなかで、宮﨑さん自身が経営者としての自覚、覚悟を持つようになってきました。そのころから、役職のない名刺を使うことがなくなってきました。
問題社員は問題提起社員
指針をつくってからも会社ではさまざまな問題が発生します。社内外でトラブルを起こす社員がいます。ある時その社員とボーナスの件で話をしていたら「それなら会社を辞める」と言われました。「それなら辞めれば?」とそこまで出かかっていましたが、それは言わずにその場は収まります。その後、改めて考えてみると、自分の考えは理念にも10年ビジョンにも反していることに気づかされました。この件は自分の問題であったことに気づきよい機会であったと思いました。これを機に、正当に社員を評価できる評価制度を取り入れます。はじめは同友会の先輩のものをそのまま真似るような形でスタートしました。
その問題社員との話がなければ一歩踏み出すことがなかったのは間違いなく、それから彼のことを問題社員から問題提起社員と呼ぶようにしているとのことです。日々あらゆる問題が起こっていますが、理念をはじめ、指針書が自分だけのものから社員に少しずつ浸透してきていると感じています。
ビジョンの実現
経営指針を実践していく中で、掲げているビジョンを経営計画に落とし込み、実現に向けて取り組んできました。一つは建設業の許可証取得です。これまでは下請けとして工事担当者の資格があれば仕事ができていました。現場では「資格なんて」と考えていたこともありましたが、これからは会社の成長のために必要であると考え取得しました。また、ジェイネットシステムは通信の仕事をメインにしているので電気通信工事業及び電気工事業の建設業許可を取得。これにより一貫して仕事を受けることが可能になりました。
はじめに掲げたビジョン実現の目玉が、電気通信事業への参入です。自社として新サービスを提供し、お客様の通信すべてをジェイネットシステムが行うことでした。その一つが光回線やプロバイダ、光電話です。その回線やプロバイダのサービス名は「JNET光」と「@JNS」です。サービス用のチラシをつくったり、ロゴを考えたり、それを商標登録したりと楽しい仕事ができました。収益化までに少し時間はかかりましたが、現在しっかりと収益の柱になっています。


また、ビジョンの一つにあった新事務所はやっと移転が決まり、今年12月に引っ越しを行うとのことです。
組織本部(会員拡大部)
今年度、同友会では会員拡大部で活動しています。一番の学びは人を増やすことの大切さです。人が増えることで組織が活性化し、新たなことができる。これは経営にもそのままいえると思っているとのことです。
また、組織本部にはベテラン会員をはじめとても勉強になる人たちがそろっています。その人たちと話ができることが何よりの学びになっているとのことです。
〈取材:山田/文:山田/写真:山田〉