
次世代の育成と地域社会の活性化を同時に実現
「住之江しごと博物館」は、大阪市住之江区・西成区を中心に、地域の子どもたちに“働くことの楽しさや意義”を伝えることを目的として、地域の中小企業経営者たちが自ら企画・運営している職業体験型イベントです。
本イベントは、大阪府中小企業家同友会西成・住之江支部のメンバーが中心となり、「子どもたちが未来に希望を持ち、自分らしい働き方を思い描けるきっかけづくり」をテーマに、2024年から2年目の開催となりました。
地域企業によるブース出展形式で、製造・建設・美容・不動産・介護・など、さまざまな業種の“人たちと関わり、リアルなしごと”を体験できる構成となっており、来場者は年々増加。初回は100名規模でしたが、住之江社会福祉協議会が共催・住之江区が後援と、地域の行政の協力も得ながら、地域の恒例イベントとして定着しつつあります。
単なるイベントにとどまらず、企業と学校、地域との橋渡し役となることと、次世代の育成と地域社会の活性化を同時に実現する取り組みとして活動しています。
※西成しごと博物館は2019年からはじまり、2025年で7回目の開催となります。2024年には、西成区役所と協定を結び、担当者が変わっても継続しつづけるとことができる行政連携行事イベントとしての仕組みを作っています。

具体的な取り組み
「しごと博物館」では、地域企業が子どもたちに向けて“仕事の本質”や“やりがい”を体験型で伝えることを重視しています。たとえば、椅子ソファの製造では、あまり生地を使ったモノづくり体験をしてもらっいました。そこで働く人と一緒に生地選びをしたり、どんな仕事をしているのかを聞きながら生地選びをしたり、かなづちやポンチ、カシメなどを使ってものづくりの体験をしてもらいました。金属加工業による金属加工体験、建築設計業による家の形をした木を組み立ててつくるモノづくり体験、介護美容士によるネイル体験、ピラティスインストラクターと一緒に体操体験など、企業ごとの専門性を活かしたブースが並びます。
体験だけでなく、仕事の裏側や想い、苦労や工夫などの“ストーリー”も伝えることで、子どもたちに「仕事=生活のためだけではない」「誰かの役に立てる喜びがある」と感じてもらえるよう設計されています。
また、来場する保護者にとっても、地域の企業の存在や取り組みを知る貴重な機会となり、企業への理解と信頼づくりにもつながっています。
この取り組みは、行政とも連携し、地域の子育て支援施策やキャリア教育との親和性を高めながら、持続可能な地域づくりの一端を担っています。
めざす未来像
私たちがめざす未来は、「子どもたちが将来に夢を持ち、自分の“好き”や“得意”を活かして働く社会の実現」です。しごと博物館はその第一歩として、“出会い”の場、“気づき”の場、“対話”の場でありたいと考えています。
現在の社会では、子どもたちがリアルな仕事の現場や職人たちの想いに触れる機会が少なく、働くことに対するイメージが偏ったり不安になったりするケースも見受けられます。だからこそ、地元の企業が手を取り合い、未来世代に「しごとって面白い!」「自分にもできるかも」と感じてもらえる環境をつくることが、私たち大人の責任でもあると感じています。
また、多くの子どもたちは、世の中にどんな仕事があるかを知らないまま進路を選び、高校や将来の選択をしています。しごと博物館を通して、さまざまな職業があることや、地域にも素敵な企業がたくさん存在することを知ってもらうことで、職業選択の幅を広げ、地域への誇りを育みたい。
そして、私たち地域の企業自身が、地域の子どもたちにとって“希望の存在”となることをめざしています。
将来的には、地域外からも来場者が訪れる“未来型キャリア教育の拠点”となり、企業の採用や地域定住、さらには教育・福祉・まちづくりとの連携を深める社会的インフラへと成長させていく構想を描いています。
「子どもも大人も、笑顔で働き、つながるまちづくり」――それが、しごと博物館が描く未来像です。