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Osaka Doyu-Kai

vol.118

わが街探訪

かやぶき屋根の古民家で和菓子100年 〜何を残して何を変えていくか〜

Profile

中河内ブロック/東大阪第二支部

株式会社オーシン

石田 渉

 「與兵衛桃林堂」は、八尾市で初の国登録有形文化財に指定された、かやぶき屋根が特徴的な古民家の和菓子屋さんです。

中に入ると少し懐かしくも風情のある空間が迎えてくれます。

與兵衛桃林堂

 

店内

 

四代目主人の板倉晋平さんは経営者からスタートして「従業員の苦労を味わっておかなければならない」と職人になった、少し変わった経歴をお持ちでした。

 大正14 年に創業してから現在にいたるまで、さまざまな変化があったと話されていました。

有形文化財である店舗も例に漏れず、平成22 年に50 年振りのかやのふき替えを行い、現在の人通りに合わせて入口を増やすなど、可能な範囲で改装が行われています。

代表商品の「桃李もなか」に使われている特注焦がし皮も、機械の変化や廃業に伴う人の入れ替わりのなかで維持をするのに苦労されたとのことです。

 

桃季もなか

 

また、生菓子は扱いが難しく、作る量・材料の管理・消費期限などの苦労が多くあるそうです。

 

しかし板倉さんは「本当のお客さんの顔が見える」と、小売店の魅力を語られていました。

歌手の天童よしみさんもひいきにされている八尾市自慢の名店、お近くにお越しの際はぜひ。

 

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 飛騨白川郷・五箇山の集落や、京都美山のかやぶきの里などわずかに残る日本の文化遺産、この原風景に人々は魅せられます。

このところ外国人の観光客が多いとか。

世界をも魅了しているんですね。

 町並みの中にかやぶきの屋根はひときわ目立つことでしょう。

ふき替え作業の時は見物人も集まったことかと。

ご主人の和菓子屋を守る執念は見上げたもので、自らの修行でお菓子の味、品質を作り上げておられます。

古民家に和菓子、その風合いでさぞかしお客様の食思が湧くことでしょう。

 

(編集 西岡)