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Osaka Doyu-Kai

vol.9

ブロック特集: 「 今こそ、変化の先に踏み出そう!」

大きなチャレンジで見えてくる未来

Profile

大阪南ブロック/EASTさかい支部/2020年度入会

大塚金属株式会社 代表取締役

大塚 豪

所在地:大阪府堺市美原区北余部西4丁目159-2 
URL:https://otsuka-k.jp
設立:1995年/社員数:7名
業務内容:ステンレス・アルミ・鋼材各種材料販売・加工品販売

創業は家内工業

大塚金属は先代である父親が定年退職後に設立した会社で、それまで培ってきた知識を生かし、ステンレスやアルミ加工品の販売を始めました。設立から2年後に大塚さんが後継者として入社、しばらくは母親と3人の家族経営でした。それから10年後、現在の本社がある地に倉庫兼事務所を建設し、同時に社員も雇用するようになりました。

しかし、当時の仕入れ先は国内ばかりで仕入れ金額も高く、顧客確保のためには仕入れに見合った価格で販売することもできず、思うような売り上げがあがりませんでした。

 

 

思い切った設備投資でV字回復

先代がステンレスやアルミ板の販売のみに力を入れる中、大塚さんは加工の仕事をどんどん取るようになりました。そのうち、取引先から「自社で加工をしたらいいのに」と言われるほど。大塚さん自身も、自社で加工をしたいという思いは強くもっていました。しかし、銀行からの融資も受けられず、また、事業再構築補助金にトライするも採択までいたらず、さらに世間はコロナ禍。やはり無理なのかと諦めかけていたときに、日本政策金融公庫が出している融資があることを知ります。それは赤字企業のみ受けられ、経営コンサルタントを通して申請をすれば採択の可能性が高いという融資でした。経営コンサルタントである同友会会員の協力を得て、通常の2倍額の融資がおり、レーザーマシンを導入することができました。

その時、半期が終わってすでに1,000万円の赤字でしたが、導入後、利益が残るようになり、一気にV字回復を果たします。業務を加工分野にまで広げられたことで当然ながら営業先も増え、お客様のなかには同友会企業も多いことで、信用を得るにも時間はかかりませんでした。

 

大塚金属を支える右腕の存在

大塚金属には大塚さんを支え、考え方のベクトルを合わせ歩んでくれている社員さんがおられます。6年前に入社されたその社員さんは大塚さんの同級生。前職を退職された時に、たまたま話をする機会があり、就職のお願いをしたわけではなかったのですが「一緒に仕事しようや!」という大塚さんの一言で入社することになったそうです。自動車ディーラーの支店長を9年勤めた経験から、大塚さんが苦手とする人間関係の構築を引き受け、社内の潤滑油の役割をしておられるのだそうです。旧知の仲ということだけでなく、組織のトップを経験されたからこそ、社長である大塚さんの思いが理解できるとのこと。

 2023年1月から自社便で配送していた業務を合同会社として設立し、その代表をこの社員さんが担っておられます。

 

 

大塚金属のこれから

いま社内では社員全員とともに理念の勉強会を始め、5年ビジョンの作成にも取り掛かっています。机上の学びと現実のギャップから、未来を想像できない社員さんもおられますが、5年先から逆算した行動をすることで、夢が現実になっていく楽しみをこれから実感してもらえるのではとワクワクしているそうです。

 今期、EASTさかい支部の支部長となり、支部を牽引している大塚さん。同友会と会社は不離一体だということをひしひしと感じていると言います。同友会では支部会員と、社内では社員と思いを共有することで、組織が進化していく情景を目の当たりにし、これからも組織強化をすすめていくとのこと。一度は同友会を退会された大塚さんが、取材の最後まで同友会での関わりに深く感謝していると話していたことが印象的でした。

(取材:山田、新家/文・写真:新家)