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Osaka Doyu-Kai

vol.1

女性経営者全国交流会in大阪、まもなく開催です!

一人ひとりが輝く未来を “みんなと一緒に”つくりたいねん!
~土台は自立を育む仕組みづくり~

Profile

大阪同友会 女性部例会副委員長(大阪南東ブロック/西成・住之江支部)

株式会社Re-fa(リーファ) 専務取締役

原田 直美

所在地:大阪府大阪市西成区北津守4-4-19/URL:https://re-fa.co.jp
設 立:2008年4月 / 社員数:7名・パート3名 / 年 商:252,000千円
事業内容:椅子、ソファの修理メンテナンス・オーダーメードソファの製造・家具工事

テーマ「女性経営者への四つの期待」のご紹介

「四つの期待」とは何でしょうか。ここで長年にわたり中小企業家同友会の発展を担ってこられた元中同協相談役幹事、故赤石義博氏が、同友会の女性経営者に向けて発信された提言をご紹介します。

2010年3月の近畿圏女性部合同例会/奈良において「今、求められるもの!!四つの提言を未来につなぐ」と題し、赤石氏が報告者として登壇されました。この内容にふれたお話は2009年6月の女全交/青森において、そして同じ年3月、大阪同友会女性部会で「同友会理念と人間力経営」の勉強会を開催したときにも話されました。女性経営者であるからこその期待、四つの視点で女性経営者が大活躍することが一層の発展につながると話されたのです。その期待が次の四つです。

 

第一の期待・生活者の視点を大切にした経営

第二の期待・草の根経済活性化の原動力に

第三の期待・平和の担い手であれ

第四の期待・原点活動を重視する

 

十余年を過ぎて、その精神を今につなぐ分科会報告です。

故 赤石 義博 氏

 

 

家具の配送据え付けと椅子・ソファの張り替え業務

夫、原田義尊さんが個人運送業から始めた事業をHARADA株式会社として法人化し、家具の配送や据え付け工事などを受注していました。その経過から家具の修理事業を始めることになり、株式会社Re-faを立ち上げました。椅子・ソファの張り替え業務を事業内容として代表には原田直美さんが就任しました。後継者がいない会社を継いだため、100年受け継がれる会社にしたいという経営理念の思いでいっぱいでしたが、繁忙な二つの会社の事務処理を軽減する目的で、株式会社Re-faを一つに統合し、義尊さんが社長となります。

 

 

(株)Re-fa女性経営者としての役割は

深夜時間を利用した家具の取り付けは、残業平均80時間/月。負のスパイラルでいつ終わるかしれない仕事に社員も疲弊し、このままだと事故を起こしけがをする恐れまで出てきました。若手が年間800時間かける仕事に対する機械の導入を考えたとき、高価な機械を買うより給料を上げてほしいとの声が上がりましたが、世の中が働き方改革に目を向けているなか、労働環境改善をするという強い意志を持って、機械導入を決断しました。

そこから直美さんの女性経営者としての手腕が発揮されます。部門別残業時間を単純作業と複雑作業に区別して、どこに負担がかかっているのかを分析しました。SDGsの目標を学んだことがきっかけになり、働くお母さんを応援する会社にしていきたいという思いが募りました。

株式会社Re-fa本社

 

 

エンパワーメントの促進

女性陣の起用は会社にとって戦力のアップになっています。椅子・ソファの張り替えリメイクは力がいる男性の仕事ではないかと思いがちでしたが、6名の女性スタッフが役割を分担してこの仕事をこなしています。産休を取ったあと、産後復帰できるなら戻ってとお願いし、育児休暇のあとも子どもの用事で誰かが抜けても大丈夫な状態であることが日常になるよう考えました。

 

コロナ禍の影響は多大で、飲食関係やラウンジからの仕事が激減した時に、新人とベテランで社内の分断が起こり、営業、現場とも男性社員が退職をしました。そんな時、女性3人が入社。「縫製もやりますよ」との力強い言葉に、新人が育つ会社にしたいと強く思いました。技術以外のことで毎月勉強会を始めました。「ゲームを通して利益が出るしくみを知るMG研修」を通して、定休日以外で2日間休みにするとどうなるかなど、一つひとつ丁寧に勉強会をすすめていきました。社員もパートも経営を俯瞰(ふかん)し、一緒に成長していける会社にしたいという直美さんの思いからです。

 

 

パートで入社の女性陣が力強い技術者に

そんな時、中古工具の買取販売の店をゆだねられ多角経営を引き受けることになり、さらに忙しくなりますが自然の流れとして受け入れます。新たな仕事に対してコミュニケーションの不足が生じればその原理原則を学ぶ勉強会をし「整理整頓の勉強会」「自分の強みを知る勉強会」などをすすめ、いつでも社内で話し合いができる環境を作ることに注力しました。

第4分科会リハーサル

 

近隣の小学校から児童が工場見学に来ると、新入社員がプレゼンに立ち、椅子張り替えでできたハギレで作った筆入れがお土産になります。もったいない精神で、これも環境教育の一環であり、学んでくれる子どもたちへの喜びの気持ちです。地域の出前授業では学校でよく使われる長椅子の張り替えなども実習します。ものづくりを覚え、人が育つ環境づくりに視点を持って活動しています。

工場見学での生徒たちとの合言葉は「A・G・H」。明るく、元気に、はきはきと。まるっきり日本語ですが分かりやすい、こんな合言葉を持つことで、地域で普通にあいさつができるように!そして朝礼での発言は若い人こそ素晴らしい!主婦だからって夫に言われてやっているわけじゃない!そんな気持ちに自然になれるのです。

 

 

改めて「四つの期待」に思いをはせる

「四つの期待」を投げかけた赤石氏はすでに逝去され、それを聞いた人も減りつつある今、女全交のテーマに推薦されて赤石氏を知らないと不安に思う方も少なくなかったのです。しかし株式会社Re-fa原田直美さんのたどった経営人生は、正しく女性ならではの「育てる、一緒に育つ、パートナーシップを発揮して会社グループの発展に大きく寄与する」でありました。リフォームされた会議室で感動しながらリハーサルを聞き、取材しました。来る6月13日の女全交第4分科会においては、室長水口氏、座長安達氏の連携コーディネートと共に、全国より来られる経営者や大阪の皆様に女性経営者の凛とした決意と頑張りをお届けできるものと思います。

「だれのパンや」焼きたて!

 

(取材:西岡、樋谷 文・写真:西岡)