scroll
Osaka Doyu-Kai

vol.12

同友会活動を活かした会社基礎づくり

環境経営が変える、中小企業経営の未来

Profile

大阪北ブロック/三島支部

西岡化建(株) 専務取締役

西岡 洋子

所 在 地:大阪府茨木市郡5丁目
創 業:1975年 / 設 立:1978年
年 商:4億1,600万円(2019年9月期)
社 員 数:39名(内パート2名)
業務内容:一般建設業 / 防水工事塗装工事・内装仕上げ工事・建築工事
屋上駐車場FRP防水工事、ビルマンション大規模改修工事

環境活動を環境経営に

西岡化建での環境経営の取り組みは、2011年にEA21(エコアクション21)認証取得をすることに始まります。西岡さんが同友会環境経営部会(当時、環境部会)の主催するEA21認証取得スクールに通いながらEMS(環境マネジメントシステム)の構築に着手しました。それは、自社での電気・ガス・水道などの使用量や、産業廃棄物の排出量を把握することから始まり、そのような各種の数値を向上していくための3R(リデュース〈廃棄物発生の抑制〉リユース〈再使用〉・リサイクル〈再資源化〉)などの環境活動の仕組みづくりを5S活動に絡めながらすすめました。活動の幅を広げるべく、本業(施工工事)に関わる特定化学物質(塗料の成分に含まれる)の使用量を削減したり、工事車両のエコドライブを指導したり、営業車のEV化などにも取り組んでいます。また活動に変化をつけるために、回収し分別した古紙を地域の子ども会に提供したり、木製廃パレットを地域の運送業者さんに再利用していただいたりなどもしています。

 

これからの環境経営に向けて

西岡化建では今年度、事業承継を行いました。長女の西岡若菜氏(表紙写真右端)が後継社長としてこれからの西岡化建を引っ張っていきます。その事業承継と並行して、新社屋を今年2月に建設しました。

新社屋は、ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)をめざした木造建築です。木造建築なのは、再生産可能な循環資源として国産木材を使いたいという理由からです。建物そのものの断熱性能に加え、断熱性能の高いサッシやペアガラス、外付けブラインドを取り入れ、事業活動の拠点である社屋の省エネを実現しています。

 

また、新社屋の屋根には瞬間発電量19kWのソーラーパネルを取り付け蓄電池と組み合わせることで、単なる売電目的ではなく新たに導入した社用車の電気自動車充電に利用したり、災害時の非常用電源として活用したりすることなども計画しています。今後、今の環境活動の中の緊急事態対応をさらに発展させるために、昨年からBCP(事業継続計画)の策定に取り組んでいます。折からの風水害や、地震などにも強い組織を構築し、さまざまな外部要因への対応力も上げようとしています。これまでの継続的な改善を進化につなげ、これからの地道な取り組みに期待ができます。
(取材:大西・音頭・北川・沢田 写真:田村)