Profile
大阪南東ブロック/西成・住之江支部
梅南鋼材株式会社
堂上 智史
この度、ご紹介する地域は大阪市住之江区北加賀屋エリアです。北加賀屋はかつて造船の町として栄え、関連した工場や倉庫が立ち並ぶ産業の町としても知られていました。近年では、アートを通したまちづくりが進行しており、地域の活性化が図られています。
北加賀屋のアートまちづくりの取り組みは、アーティストやクリエイティブな活動家たちが集まり、地域イベントが定期的に開催されていて、地域住民や学生を巻き込みながら、新しい文化やアートの発信として北加賀屋の地位確立に貢献しています。
空き家や使用しなくなった建物を活用し、地域の景観を改善するだけでなく、空き家をアートギャラリーやワークショップスペースとして再利用し、地域の人々がアートに触れ、交流できる場が提供されています。もう一つの特徴はウォールアートです。木津川の堤防や使用していない工場の壁面、民家の壁面を活用し、あらゆる場所にデザイン画が点在しており、まるで町全体が宝探しのような町でもあります。壁面を探しに歩き回ることで可愛らしいフォトスポットを見つける楽しみがあります。アート好きや写真愛好家にとっても価値あるスポットです。
ロバの壁画
堤防壁画
このような取り組みを通して創造性、コミュニティーの力を結集し、新たな挑戦が生まれることでさらに魅力的な地域として発展し続けるでしょう。
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誰が書いたとも知れず、突然現れる巧みな壁画に人々が魅了され、絵を書いた芸術家を探し回ったが分からず……こんな話がありますね。ベルリンの壁は東西を分断するために作られましたが、今では世界中から観光客を呼び寄せるほどになったその理由は、それぞれの絵に確かなイデオロギーを感じられるところにあるのでは、と私は思うのです。
福島の原発事故のあと、訪れた浪江町のだれも住まなくなった家に巨大な壁画として家主の顔が描かれていたのは、妙に物悲しい切ないものでした。北加賀屋が壁から出てきたロバのような愛らしいアートで包まれたら、街は変わっていくでしょうね。
(編集 西岡)