scroll
Osaka Doyu-Kai

vol.3

大阪北ブロック特集: 「 激動する変化に対応する企業」

専業主婦から障害年金専門社労士へ ~障がい者の暮らしを守る存在をめざして~

Profile

大阪北ブロック/北第三支部/2022年度入会

社労士FP事務所 チャレンジド・ガーディアン 社会保険労務士

久保田 あきみ

所在地:大阪府吹田市広芝町10-8江坂董友ビル1F/URL:https://challenged-guardian.com
設立:2021年9月/業務内容:社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー

社労士をめざしたきっかけ

 久保田さんには二人のお子さんがいて、上のお子さんは重度の障がいを抱えています。社労士(社会保険労務士)をめざしたきっかけは、40歳の時の離婚とそれに伴う家計の不安からでした。専業主婦から一転して、学校の先生として働き始めましたが、将来の経済的安定を求めてFP(ファイナンシャルプランナー)の資格を取得しました。その後、障がい者家庭の家計相談に取り組むなかで、障害年金をもらっている人ともらっていない人では家計の内容は大きく違うことや、手続きの仕方次第で障害年金認定の差もあることを知りました。FPの経験を通じて障害年金の重要性を痛感し、ご家族のために障害年金の申請代行ができるようになりたいと思い、社労士の資格を取得しました。

 

苦労したFP時期の人脈が社労士開業の糧に

 一番苦労した時期は社労士になる前のFPのころでした。ひとり親や離婚した人などの相談は非常に感謝されるのですが、売上が少ないという課題がありました。そのため並行して障がい者就労施設で職業支援員として働く時期もありました。FP、支援員、社労士の勉強というもんもんとした時期を経て、社労士試験に合格したことをそれまでに関わりのあった方々に伝えると、そのつながりで紹介をいただくことになり、社労士として順調なスタートを切ることができました。

事務所パンフレットと創業エピソードが掲載されている書籍

 

同友会を通じての変化

 同友会への入会は、FP仲間からの誘いを受けて参加したことがきっかけでした。現在は経営本部 障害者部に所属し、障がい者施設や就労移行支援施設とのつながりが強化され、仕事の依頼が増加しました。

 また、障がいといっても幼児期からだけではなく、働いていてうつ病になった精神障がいの方や、突然脳梗塞になった方などの相談もあります。今までは障害年金申請だけでしたが、同友会活動を通じて障がい者のその後の働く支援にまでつなげられるようになったことも、同友会ならではの広がりと感じています。

 

これからの展望

 保護者の「親なきあと」問題について実行支援をしていきたいと考えています。以前は、一般的な話だけで「その相談者の状況に対して、具体的には何をどうすすめればよいのか」まで行き届かなかったこともありましたが、現在は終活や相続手続きをしている企業・保険代理店などとの関わりも増え、実行支援につながる準備は整いつつあります。これから現実的な実行支援ができるようなサービスを構築したいと考えています。

経営理念

 

取材を終えて

 障がい者とそのご家族に対する熱い思いや、優しさあふれる久保田さんらしい人柄がわかる取材でした。

 障害年金に関する知識は、社員の福祉向上や企業の社会的責任を果たすうえで重要です。障がい者が安心して働ける環境を整えることも、中小企業家の役割の一つだと感じました。

 

(取材:小久保、岡本、岡坂/文:岡本/写真:岡坂)